外交敗戦 130億ドルは砂に消えた

ウルトラダラーを一気に読み終えて、その面白さからこの著者の本を買い漁った(と言ってもそれほど著作が多い訳ではない)うちの一冊。

クウェート侵攻後の外交模様を綴った内容。

何かの境界線というか最前線というか、そういったところの話は非日常的にならざるを得ず非常に面白い。日本の外交が失敗に終わったその過程を詳らかにするというのがこの本の趣旨で、それは非常に良く纏まっており、分かりやすい。

後書きにあったが、政治や外交がニュースで見た時に内容が薄く感じるのは、「現在」というところにしか焦点が当たっていないからで、事後の検証作業に対する認識の欠如があるという下りは、非常に良く分かる。

こういった冷静な視点を持ったちょっと前の現代史はもっと世の中に出てきて欲しい。

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