日本 – セネガル

常に先手を取られるも受け身ならず攻めて、ドローを勝ち取り、2-2。

開始直後に川島のクリアミスがプレゼントパスになり、先制を許してしまった。川島のパンチング対応が話題になっているが、その直前のヘディングのクリアも十分に致命的だった。あの位置で完璧にフリーの状態を作った時点でほぼ詰みだった、川島だけの問題ではなかったはず。

その後意気消沈することなく、ロングボールを長友が意図的ではないと思うが、完璧なトラップがそのまま乾への絶妙なパスとなり、同点。乾のシュートも完璧だったが、長友のトラップありきのゴールだった。

後半にさらに一度突き放されるが、突き放された直後、岡崎、本田を投入したのが当たる。大迫のクロスでキーパーと岡崎が競り合いキーパーを抑えたところで乾が折り返して本田が同点ゴール。交代もきっちり嵌ってドロー。

乾は絶好調で切れ味が相当いい。柴崎も視野の広いプレイが出来ている。この二人がこの2戦のキーマン。香川も調子は良さそう、今のところプレイが黒子に徹する側にいるのは、役割が違う気がするが、調子が悪いよりは良い。本田も2試合で1A1Gで存在感を出している。

センターバックのコンビは昌子、吉田は良いペアになっている。昌子は2戦とも相当良いパフォーマンスを見せている。ここ1年ずっと低調も低調だった長谷部のクオリティがやっと普通の出来に戻っていた。両SBも上下動を頻繁に繰り返し、貢献度が高く、全般的にGK以外は上げ調子になっている。

3戦目は敗退決定のポーランドだが、レバンドフスキが無得点で終わる気はないだろうし、DF,GKの重要性が高くなる。川島をどうするかが大きな焦点になるのは間違いない。

今言うことではないが、この2試合を見ていて一つつくづく思う。何だかんだ言っても結局ハリルホジッチのサッカーの展開していて、見事に花開いていると。この1勝1分は素直にうれしいと思う頭の片隅で、少し酸っぱいものを感じてしまう。細かいパスワーク、ティキタカでは全然ない。

監督を変えたんだから戦術も変えるべきだとは言わない。個人的な好みはティキタカのサッカーだし、そういうものが見られるなら見たいが、この短い期間では戦術をシフトせず、ハリルホジッチの遺産を継承していくのがベターだったとは思う。しかし、それなら監督は交代しなくても結果は残せたのではないかと思う。

ハリルホジッチは、日本の長所をきちんと実は認識できていて、的を得た戦術を展開していたのではないかと思う。長いボールでゴール前に運び、そこで敏捷性で勝負する。その基本戦術が面白いかどうかは、この2試合での試合展開を見ると戦術が忠実に狙い通りに進んでいればそれなりに楽しめるし、ティキタカだけがサッカーじゃないと思えてくる。結果を残したワールドカップでも基本的にこの戦術だった。

そう思うとワールドカップが始まるまで低調だった山口、長谷部を起用し続けていたことが、唯一の失策だったかもしれない。どちらかが柴崎だったら、違う結果だったかもしれないかと思う。ただ柴崎もホームシックで試合に出れない等、選ぶ側からすると躊躇させるような要因は持っていた。難しいところではあるが、今の基本戦術がうまくいっているのを見ると、勝利がうれしいとは思いつつ、ハリルホジッチの更迭は酷だったと思いが、どうしても消えない。

 

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