夏草の賦(上下2巻)

司馬遼太郎の本の歴史小説の中で、最も好きな本の一つ。

長宗我部元親が主人公。野望に満ちた戦国武将が、歴史の表舞台から外れたところで戦い続ける悲哀を描いた小説。

司馬遼太郎らしいストーリー展開と主人公の選択というところがツボに入った作品。

英雄的な事業を興し、加速度的に成長を遂げているその過渡期に、時代の大きな波を二度に渡り受け、そこから人間くさい武将に成り下がっていく過程が司馬遼太郎の作品らしく、最後に大きな悲劇に見舞われたところで、話が終わる。

また、語り部が小説の初めには、色濃く存在感を示しているが、最後に近づくにあたってその存在を自然に消し去る辺りも司馬遼太郎の小説らしい展開。

 

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